就職活動のために神戸に来て、少し空き時間があった。
よし、このぼさぼさの坊主頭をカットしてもらおう。
いい美容院はないかねえ。
カレー屋の旗を立てていたおしゃれでだるそうな若者に聞いた。
「この辺でいい美容室知らないっすか?」
「うーん、美容室…。それじゃあこの通りをまっすぐ行くと、左側にアレックスっていう大きいとこあるから」
「いいかんじっすか?」
「なかなかですよ。へへ。」
「ありがとう」
なるほど、アレックスか。よさそうな響きだ。と、想像をふくらませつつ歩いていくと、あった。alex。
ガラス張りで、テレビに出そうなほどおしゃれ店だった。
もしかしてすごく高いのでは。
カット…4500円〜。。
なるほど、なかなか。坊主のおれにとっちゃあ、とても高い値段だ。。
しかしここで引き返すわけには行かない。
入った。
おしゃれ店員がいっぱい。
入ったとたん、「ソファにかけてお待ちください」といきなりリッチな感じ。
そしてすぐに立派な器に入ったお茶が出てきた。
「こんにちはー。はじめてでらっしゃいますか?」と感じいい。
おしゃれなロッカーに荷物を預けると、着替え室に連れてかれた。
「ガウンに着替えてください」
おーー、ガウンって高級な響き。これはすごいぞ。
席に着くとスタイリストがやってきた。なんと彼の頭も坊主風。
「お、おしゃれぼうずにしてください」
で、シャンプーがすごかった。
なんと機械でシャンプーするらしい。その名も「オートシャンプー」
音がうるさいからとまず耳栓をされ、顔にタオルを乗せられ、頭にぱこっとかぶされ、
リモコンスイッチを渡された。強弱切り替えスイッチ。5段階。
最初は、さわさわ、さわさわ、と、さざなみのようにやさしく、
右から順番にザザーと来て左に流れたり、前から後ろに順番に着たり。
その度に、おー。ほー。とか言ってたから、店員から見たらかなりまぬけだったに違いない。
途中から急に激しくなった。
右から左から前から後ろから水流が次々に襲ってきて、止まったと思って次にドバーッと来たときなどは
ビクンとしちゃうし、心臓はかなりドキドキしていた。
あれは言ってみれば、目が見えない分スペースマウンテンだね。
そんなこんなで5000円の坊主が出来上がりました。
5000円もかかったけど、また行ってみたい。
みなさんもぜひ。いいと思うよ。