神戸旅行(最終回)
前の採用試験の続きで、またしても神戸に行くことができた。
最終選考。
縁起をかついで、やっぱり美容室とカフェに行かないとなあ。
でも、つい一週間前に神戸に来たときに、髪の毛を切ったばっかりだ。
しかし、面接前にオートシャンプーをしないわけにはいかぬ。
そこで選んだのが、シャンプー&ブロー。
いったい、この坊主頭のどこを洗うというのか。3000円も払って。
こんな坊主でシャンプーに来る人はめずらしいですか?と聞いたら、はじめてですよ。と言われた。
それからもちろん、例のカフェに行った。
前回に話したお兄さんが来て、この前の選考、通ったんですね。他の人達はどうでしたか?と聞かれたから、
今日行ってみないとわからないです。もしいたら、また夜一緒に来るかもしれないです。と答えた。
選考会場に行ってみると、前回いっしょにカフェに行った4人のうち、一人だけが残っていた。
選考が全部終わって、最後に人事担当の女性社員の方があいさつした。
「今ここに残っている人も、またここまでに落ちてしまった人たちも、みんなすごい素敵な人たちでした。
みなさんをずっと選考してきて、個人的にもっともっとしゃべってみたり、仲良くなりたかった人がものすごくいっぱいいるのに、
それができないことが、すごく残念で、悔しいです。
今回もまた、落ちてしまう人がいるけど、でも、みんな自信を持ってください。本当に、みんな素晴らしいです」
途中から泣き出してしまって、何回も言葉に詰まりながら、話してくれた。
その話が終わると、どこからか拍手が起こって、なんだか卒業式の先生と学生みたいで感動だった。
何人かでお茶を飲んで豚まんを食った後、前回一緒にカフェに行った女の人と二人で、またカフェに行った。
店の入り口にも着かないうちに、店員の彼のほうからこっちをみつけて、嬉しそうにダッシュしてきた。
その日は二人同じ夜行バスの切符をとってあったんだけど、店員の彼が、仕事終わった後にバスの見送りをしてくれることになった。
今日だったら泊めてもらえたのに。前回は突然すぎたな。
店員の彼、D君は、接客歴6年のカフェの社員で、2年後に自分のカフェを開く予定らしい。
まだ23歳なのに。すごいなあ。
素敵な接客の秘密を探ろうと、いろいろ聞いてみた。
なんでも、採用の募集をかけると、10倍以上の募集があるらしい。
どおりで、かっこよくて感じのいい人が集まるわけだ。
バスを待ってる間、D君は、カメラを取り出して、嬉しそうにおれ達を撮影してきた。
彼の鞄の中にはカメラが3つも入っていて、次々に取り出すので、悔しくなって、おれも鞄の中の面白いものを探した。
ちょうど、自作のカンガルーのTシャツと、豆腐部Tシャツと、消しゴムはんこを持っていたので、おもむろに見せつけた。
豆腐部Tシャツの注文を受けてしまった。
そんなこんなで、神戸旅行も今回でおしまい。
すごい神戸に住みたくなってしまったけど、選考の結果はものすごく自信がない。
次に来れるのはいつのことやら。。