ヨガ in インド。

憧れの国、インド。
インドに行った人はみんな変になって帰ってくるから、
おれもインドに行ったらカルチャーショックを受けて、
生きるってなんだろう?とか言ってしまうのかね。
そいつは楽しみだ。
などと考えつつ、カルカッタの空港に着きました。
インドでの目標は下痢になること。
インド人は、じろじろ、ぎょろぎょろ眺めてくるから、ちょっとこわい。
インド映画のムトゥみたいにニカッと素敵に微笑んでくれたりはしなかった。
女の人にいたっては、目もあわせてくれん。
なんだい、映画ではあんなにハレンチな感じなのに。ちぇ。

初インドにびくびくしながら、タクシーを割り勘する相手を探して、
一人で立ち止まっていた金髪の女の子に声をかけたのに、
後ろから彼氏も出てきた。
女の子はたくましそうで、男の子は頭が悪そうでした。
彼らはイスラエル人で、一緒にタクシーに乗ることになった。
インドのタクシーは油断がならないけど、女の子が強そうだから安心だぜ。
と思いました。
タクシー代金は前払いで160Rs(ルピー)。
3人じゃあ割りにくいなあ、と考えていたら、そのたくましい女の子が言った。
「私達が80Rs,あなたが80Rs」
どうして2で割るかね。3人なのに。
カップルは2人で1つかね。
仲良しだから一緒ってわけかい。
そんなことあるか。。
と言いたかったのはやまやまですが、
青い目で微笑されてしまうと固まってしまって何も言えなかった。
あいつらははっきり言って相当悪いね。
やっぱりインドはあなどれない。

インド人は、意外に悪くないし、普通の人だし、いまいち期待はずれだった。
インド人に過剰な期待を抱きすぎていた。
インド人といえば、36時間も足を下ろさずにハイキックをし続けるギネス記録の保持者もそうだし、
54時間も拍手をしつづけるギネスだってそうだ。
そういう人だらけの国と思っていたが、
やっぱりそんな人はめったにいなかった。残念。
さらなる刺激を求めてヒンドゥー教の聖地のバラナシに向かった。

しかし、バラナシも平和なところだった。
刺激と言えば、葉っぱぐらいだ。
あまりの刺激の少なさに、宿を移ることにした。
名前は「オームゲストハウス」
ドミトリー20ルピー。60円。
宿でヨガ教室をやっていたので、習うことにした。
先生は朝原しょーこーみたいな人で、期待を裏切らないヨガらしさだった。
しかし、ストレッチをした後、変なバラナシの歌をうたわされた。
先生はとても気分良さそうに歌って、
「歌で気がめぐる」とか言っていたが
こんなにのんびりの修行じゃ宙に浮かんだりできない。
と、気持ちがあせった。

それから、ヨガに精を出す毎日。
おれは結構体が柔らかいし、呼吸法はマスターしていたし、なかなか進歩が早かった。
二日目ぐらいまでは、「なんだただのストレッチじゃん」と飽き飽きしていたけれど、
だんだん奥深さがわかってきた。
呼吸によって、妙なテンションが得られる。
体と頭がなんだか不思議な気分になる。
柔らかくなればなるほど変なポーズがとれる。
気を遠くに飛ばせば、バランスが取れ、疲れない。

宙に浮けるには3ヶ月かかるらしい。
しかしながら、あの先生が宙に浮けるかどうかは謎。
太りすぎててきっとむりだ。
「3ヶ月修行すれば、鼻から牛乳を自在に飲めるぞ」
と、先生は自信満々に言ってきた。
その技は、何のために使うのだろうか。
しかし、みんなにヨガの成果を自慢するためにも、少しうらやましいなと思った。
先生の家族は誰もヨガをしないらしい。
「外に行けば尊敬されるのになあ。」とおれにぐちってきた。

先生は偉そうに「手相も見れるんだ」と言っておれの手を眺め、
失礼なことをずばずばと言ってきて、しかも全然当たっていなかったから、ますます信用できなくなった。
特に、「お前はセックスの経験がほとんど無い」
と言われたのには冷静なおれもカチンときて、
メニー、メニー、ベリーマッチ」と言い返したら、
「じゃあもうすぐ駄目になる」
と言われた。
相当失礼だ。

インド美術館で会った日本人の女の子は、
美術館から出ると、おもむろに葉っぱを取り出し、
吸いますか?気持ちいいよ。と言って、
さらにかばんの中から「ナチュラルハイ」という本を出して読み出した。
それは、いかに、ハイの状態を作るかという、気功っぽい怪しい本。
その項目の中には、「嘔吐によるハイ」というのもあり、
吐くことによってもハイテンションを得られる。となっていた。

バラナシの後は、隣町の仏教の聖地に行き、日本寺に泊り込んだ。
仏教かぶれの外人とか、日本人数人がいた。
朝晩お経を唱えて、昼はヨガをして、
ヨガと仏教の関わりについて考えてみた。
日蓮宗のお経は、ちっちゃい太鼓を力いっぱい叩きながら、
なむほうれんげーきょー!!」
と15分ぐらい叫びつづけるものだった。
助けてくれーと叫んでいるみたい。
今時、あんな原始的な感じのお祈りでいいのだろうか。
でも、叫ぶこと、ハモること、大きく息を吐くことによってハイを得てるに違いない。

カルカッタに帰るときは、反対向きの電車にのっちゃって
10時間も気づかなかったせいで、
1日かかってようやく乗った場所に戻れた。
あの時の切なさといったら、随分と修行になりました。
おかげで飛行機も乗り遅れたしさ。

タイで会った日本人は、砂漠の村で会ったインド人の若妻に、
よばいをされたらしい。
みんなが寝静まった後に砂漠のテントまでこっそりやってきたらしい。
ちぇ。

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