先日の勉強会でもお話したのだけど、
「今、ここに生きる」
「意図を持つけど、結果は手放す」
ということについて、とてもわかりやすい事例があるので、
ご紹介します。
阪神の下柳投手のお話です。
2005年、下柳投手は、
白石豊先生という、メンタルトレーナーについたそうです。
この先生は、トレーニングにヨガも取り入れている、ヨガの先生でもあります。
2005年のはじめに、白石先生が1年の目標を決めるように言うと、
下柳投手は、前年7勝しかしておらず、また37歳という年齢にも関わらず、
「最多勝投手のタイトルを取りたい」
と言ったそうです。
そして、2人は、最多勝を取るために、すべきことを考えていきました。
白石先生は、下柳投手に、禅の本を渡しました。
その本の中には、
「前後際断」という言葉が書かれていました。
前(将来)も後(過去)も断ち切って、今ここに集中するという意味です。
その言葉を見て、下柳投手は、気づいたそうです。
・今まで、マウンドの上で、ずいぶんと、過去のことや先のことに心を奪われていた。
・審判のストライクボールの判定に納得できず、引きづることがよくあった。
・打たれたボールを悔やんで、引きづることがよくあった。
・前の打席で打たれたバッターが、ネクストバッターズサークルで素振りをしている時は、
今のバッターでなく、そっちのバッターに心を奪われることがよくあった。
下柳投手は、過去も未来も断ち切って、
目の前のバッターの、その一球だけに集中できるように、
「前後際断」
と、グローブに刺繍をし、
心が揺れそうな時はそれを見て、「今ここ」に集中するようにしたそうです。
その結果、37歳という年齢ながら、その年に15勝を上げ、
初の最多勝を獲得できたそうなんです。
すごいよねえ。
「今ここ」に集中することのすごさを感じます。
目標は立てるんだけど、
やることは、目の前のことを一生懸命やるだけ。
こんなふうに過ごせるように、がんばりたいなあ。