長野のヨガリトリートに行ったとき、
辻信一さんが話してくれた、ナマケモノの話がおもしろかったので、
紹介したいと思います。
ナマケモノは、
とってもエコな動物で、
あまり動かず、エネルギーを消費しない分、
ほんのちょっとの食べ物で生きていけます。
筋肉をほとんどつけていないため、体がとても軽く、
他の動物が登れないような細い枝の上で暮らすことができます。
まさに、省エネでスモールな暮らしなのです。
そんなナマケモノが、なぜか、うんちをするとき、
木の下に降りてきて、下で糞をするのです。
ゆっくりゆっくり、何時間もかけて、おりてくる。
ときには、その瞬間に襲われて、食べられてしまうこともあるというのに。
しかも、ナマケモノは、丁寧なことに、
少しだけ土を掘って糞をした後、その上に葉っぱをかぶせるそうなのです。
なぜ、ナマケモノがそんな行動を取るのか、長年、わかっていませんでした。
最近の有力な説によると、
ナマケモノは、
自分が住んでいる木に、栄養を与えるために
木の根元に糞をしてるのではないか?
と考えられてるそうです。
木の上から糞を落とすと、
栄養が、木の根元まで届かない。
だから、
身の危険を冒してまで、
自分の住んでいる環境が続いていくように、
循環させているというのです。
また、話は変わって、
北海道のクマは、
鮭を、何匹かに一匹、わざと、森に落とすそうなのです。
その落とした鮭に虫が集まって、食物連鎖が起こり、土地が肥える。
これも、自分の住んでいる森の環境を守るための営みと考えられているそうです。
人間以外の自然界は、みんな、環境が循環し、続いていくように営んでいるのです。
人間だけが、
循環しないものをいっぱい作りだし、
地球が持続しないような暮らし方をしている。
持続可能な地球に向けて、
今こそ、暮らしをみつめなおす必要があるというお話でした。
アンドレは、
大学に入るとき、海の生き物を守りたくて、
「海洋生物学」を専攻したそうです。
でも、調べれば調べるほど、
海の生物たちは、それ自体は完ぺきで、
人間が、よけいな手出しや、破壊をしなければ、
自分たちで勝手に続いていくということに気づいたそうです。
そこで、アンドレは、
「なんで、人間は、そんな営みをしてしまうんだろう」
ということを研究するため、
文化人類学に転向し、人間の行動を調べ、
そして、ついには、
人間の性質の探求をするために、ヨガに進んで行ったそうです。
とっても、考えさせられるお話でした。
辻信一さんたちの環境NGO「ナマケモノ倶楽部」のサイト
http://www.sloth.gr.jp/top/top.html