以前のブログで書いた、
11/3の「神戸からエネルギーの未来を考えるフォーラム」
のレポートの続きを書こうと思います。
(もう2週間半もたっちゃったけど)
田中優さんは、
「原発がなぜなくならないか」
「ぼくたちに、何ができるか」
をお話してくれました。
今回の福島原発の事故も、
津波でおこったのではなく、
地震の揺れの時点で、すでに致命的な状態だったそうです。
2000年から地震の活発期に入っているため、
原発の事故は、これからも10年に1度以上の頻度でおこる。
今回の事故は、全然、何百年に1度の偶然ではないと言ってました。
原発をなくすには、
2段階で考えるのが良いそうです。
1段階目は、節電で、電力の消費量を減らして、すぐに原発を止める。
原発以外の発電(火力、水力など)で、十分、足りているそうなのです。
2段階目は、火力・水力などの発電を、
自然エネルギーに変えていく。
これは、10年から20年かけて、ゆっくりやっていったら良いそうです。
電力会社は、いつも、
「原子力発電がないと、電気が足りない」と言うけれど、
これは、嘘だそうです。
電力会社は、
みんなの電力の消費量を増やすことは努力しているけれど、
減らす努力はしたことがないのです。
家庭のオール電化を、
いっしょうけんめいに推進してるのは、電力会社です。
なんでかと言えば、
電力の消費量が多いほど、儲かるから。
たくさん売りたいから、電力の消費を一生懸命増やしている。
まあ、当たり前ですよね。
企業だから、売り上げ伸ばそうとするのは。
そして、現在では、1つの電力会社が、独占状態で、
ぼくたちが電力会社を選択する余地がないので、
電力会社は、経費を安くする努力をあまりしていない。
かかった経費の分だけ、電気料金を請求すれば良いので。
かかった経費の3%が電力会社の利益になるそうで、
むしろ、電力会社の立場から言うと、経費が高いほど儲かる。
その結果、日本の電気料金は、世界でだんとつ一番高いそうです。
さて、まず、原子力発電を止めるために、
節電が必要ということなのだけど、
ぼくたちの家庭で努力しなければいけないかというと、
その必要はないと、田中優さんは言ってました。
日本は、世界でだんとつ、家庭の節電が進んでる国だそうです。
ここ10年で、エコ家電などの影響で、
家庭の電力消費は半分になったそうで、
日本人は、国民性からして、
エコで、節約の精神が根付いているそうです。
今の段階で、
原子力発電がなくて、電力が足りなくなるのは、
1年のうちの、ほんの数日(夏の暑いとき)、
しかも、企業が活動しているお昼の時間帯だけだそうです。
ということは、
その数日間だけ、
例えば、電気料金を2倍とかにすれば、
企業はその日の電力消費を避けるので、
あっという間に解決すると言ってました。
ようは、電力のピークを減らす努力をするかどうかの話だけだそうです。
そんな簡単なことで、
みんなが苦しんでるのが、ますます不思議ですが、
これが、利権とかあって、なかなか難しいらしい。
ゼネコンは、電力会社がらみで、たくさんの建築の発注をもらっているし、
銀行は、電力会社がいちばんの預金主だし、
その利権にくっついている政治家がいっぱいいる。
マスコミの1番の広告主も、電力会社だそうで、
電力会社は、もともと競合相手がいないので、
CMなんてする必要がないのに、
いちばんのスポンサーになって、マスコミの動きを握っているそうです。
震災後に3夜連続で放送予定だった、
六ヶ所村のドキュメンタリー番組も、
1日目が終わった時に、何か圧力があったようで、
2日目以降は中止になったそうな。
田中優さんも、
震災後、しばらくは、コメンテーターとして出演依頼があったのが、
総裁選のあたりから、電通からの根回しで、
呼ばれなくなったと言ってました。
うーん、大人の世界。
お金より、地球の方が大事だと思うけどねえ。
それじゃあ、ぼくたちに何ができるの?
というと、
それは、やはり、
「声をあげるのをやめないこと」
だそうです。
ネットでも、地域の集まりでも、
「いやなものは、いや」という態度を示して、
少しずつつながって、仲間を増やしていくこと。
そして、政治家やら、メディアやらにだんだん圧力をかけていくこと。
田中優さんは、こういう活動には、
「たて よこ ななめ」の活動が大切だと言っていました。
まず、横。
みんなに広めて、仲間を増やしていく。
そして、縦。
政治家に訴えたり、圧力をかけていく。
斜めは、
別のことを提案したり、実行したりしていくことだそうです。
今回のフォーラムには、
神戸で自然エネルギーの開発を進めている粟田さんという方も来ていて、
彼らの話を聞いていると、
10年後には、
自然エネルギーの分野も、ものすごい進化を遂げて、
ちょっとの自然の力で、
十分なエネルギーがまかなえる時代が来るようです。
技術的には、何も問題ない。
意識の持ちようだけだなあと思いました。