ヨーガ療法学会でのトラウマの話(宮崎)

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金・土と、
宮崎県で行われた、ヨーガ療法学会に行ってきました。
今年も、いい話がたくさん聞けて、とても勉強になりましたが、

特におもしろかったのは、
ヴェッセル・ヴァンデル・コーク先生のお話でした。

コーク先生は、ボストン大学医学部の教授で、
ボストン・トラウマ・センターを設立された、トラウマ研究者です。

トラウマを持っている人は、
パニックにおちいった時に、心拍と呼吸が乱れるそうで、

コーク先生は、心拍をコントロールできるものをグーグルで探していて、
ヨーガを見つけたそうです。

ヨーガの呼吸法を研究してみると、
呼吸をゆっくり、深くすることで、
心拍もゆっくりできることが、証明できたそうです。

心拍と感情の結びつきは深く、
1分間に6回ぐらいの呼吸を続けると、
落ち着いた気持ちになっていくそうです。

コーク先生は、トラウマの対処法として、
心理カウンセリングや、投薬など、いろんな方法を比較したところ、
ヨーガが、非常に効果が高かったそうです。

特に、過去のトラウマを自分の内に押し込めたような、
慢性的なトラウマに対しては、ヨーガがとても良いとおっしゃってました。

トラウマの人は、
過去の記憶を、自分の体の中に感覚(印象)として残しており、
その痛みと向き合うのを避けるため、
自分の肉体感覚を遮断し、喪失してしまうので、

ヨーガの体操で、今この瞬間の自分の体と向き合い、
今この瞬間、安心・安全で、コントロールできるということを体感することが、
とても大切なようです。

そのために、もっとも大切なのが、
「自分の内側の意識化」だそうです。

自分の体がどこにあるか?
どういう姿勢になっているか?
体にどんな感覚が生じているか?
どんな呼吸がおこっているか?

そのような意識を行うことにより、
自分を客観視する能力が高まるそうです。

脳の中で、自分を客観視する能力は、
眉間の奥の部分(前頭前野)にあるそうです。
ヨーガで、第3の目(第6チャクラ)という場所とも一致します。

トラウマやパニックの人は、
この部分が不活性化しており、
この部分の能力を高めることにより、
少しずつ自分を客観的に眺められるようになり、
感情をコントロールできるようになるそうです。

この部分を鍛えるには、ヨーガに限らず、
身体感覚をともなう動作、
例えば、剣道や柔道などの武術や、気功なども良いそうです。

きっと、お茶などの所作や、
ダンスなどでも良いのだと思います。
身体感覚を磨くことが大切なのでしょう。

ボストン・トラウマセンターでは、
アーサナ(体操)・呼吸法・マインドフル瞑想を組み合わせたヨーガを行っていますが、

一般のヨーガスタジオで行われているヨーガをそのまま行うのでは、
うまくいかないそうです。

例えば、ヨーガの指導者が、少しでも体に触れたり、
強制的な指示を出したりすると、パニックになってしまったり

シャバーサナ(くつろぎのポーズ)で仰向けになって休むとき、
安心感を得られない人が多かったり、

体を動かすことにより、
過去の感情が出てきて、パニックになることもあるようです。

ボストン・トラウマ・センターで、
具体的に、トラウマの人にどのようなヨーガを行っているか、
書いている本があるので、
興味ある方は、読んでみてください。

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トラウマをヨーガで克服する

コーク先生のお話は、トラウマの人以外にも通じる部分が多く、

ヨーガをする上で、

・体の感覚を意識すること
・呼吸をゆっくりにしていくこと

が重要なのだと、あらためて感じるお話でした。

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