ヴィパッサナー瞑想合宿の特徴は、
なんといっても、10日間、しゃべるのが禁止ということ。
聖なる沈黙と呼ばれるこの間は、
話すのはもちろん、アイコンタクトや、ジェスチャーも禁止。
知らない人と、会話することなく共同生活をするのです。
さらに、メモを取ることも禁止。
ひたすら、自分の心の中で会話をし、
自分の思考について、気づかされるのです。
メモ好きのぼくにとっては、
メモを取れないのは、なかなかつらいことでした。
ぼくは、今回、瞑想をしてたら、
なぜか、やたら、ブログの文章が頭に浮かんできて、
頭の中でずっとブログを書いていた。
これはもはや、職業病かもしれぬ。立派なブロガーです。
ブログ、10記事以上書いた気がする。(頭の中で)
ブログが終わると、
今度は、友達へのメールの文章がどんどん浮かんできた。
帰ってからメール書けばいいのに。
ぼくって、こんなに、書くことが好きだったか。
瞑想には、だいぶんじゃまでしたが、
作家(ライター)としては、ありがたい才能なのかもしれません。
これから先、書くことを大切にしていこうと思いました。
そして、瞑想が深まるにつれ、
いろんなアイデアが、どんどんひらめいて、すごかった。
ヨガのアイデアや、
ヨガ以外のアイデア、
自分の生活を改善するようなアイデアもいっぱい出てきた。
引っ越しのアイデア、
家の模様替えのアイデア、
料理のアイデア、
旅行のアイデア、などなど。
さらにさらに、
3年後の自分の役割、
10年後の自分の役割、
将来のビジョンが、たくさん浮かんできて、
脳が、天才になってしまった感じでした。
以前に、「アイデアのつくり方」という本を読んだことがあるのですが、
それによると、
アイデアを出すための方法は、
1.まずは、必要な情報を集めて整理する。
2.よく考える。
3.いちど忘れる(熟成期間)
4.アイデアが自然に生まれる。
歩いてる時、トイレにいる時、寝てる時など、
脳がリラックスしてるときに、自然に生まれる。
と書かれてました。
瞑想中に、脳がある種のリラックス状態になったため、
最近考えていたことに対しての答えが、
次々と湧き出てきたのだと思います。
瞑想ってやっぱりすごいなあと、実感しました。
「早くメモを取らないと忘れちゃう」
と、心配してたけど、
ふしぎと、こういうときに思いついたことは、忘れないみたいです。
ぼくの場合は、こんな感じでしたが、
瞑想中に出てくるものは、人によって、全然違うようです。
写真が好きな人は、映像がずっと出てきたと言ってた。
来る前にネットゲームをやりこんでいたという学生君は、
ゲームの場面が出てきたと言っていた。
合宿の10日目のお昼には、
ついに、聖なる沈黙が解かれました。
最初、しゃべるのが照れくさく、
自分の声って、こんな声だっけ?と思いました。
そして、どのくらいの声の大きさでしゃべったらいいか、
いまいちわからん。
10日目にして、はじめて聞くみんなの声は、
イメージしてたのと違ってたりします。
人柄も、イメージしてたのとけっこう違う。
会話も表情もないと、人柄を判断できないもんなんだねえ。
みんな、わざわざこんな瞑想合宿に来るだけあって、
想像してた以上に、おもしろい人ばっかりなのです。
しゃべってるうちにどんどん興奮してきて、
のどが痛いほどしゃべっても、まだしゃべり続けます。
参加者は、いつもそうなるので、
沈黙が解かれた後、まる一日センターにとどまって、
次の日に帰るようになってるそうです。
たしかに、あの興奮状態で下界に降りたら、
おかしくなったと思われます。
一日おいて帰ったにもかかわらず、
ぼくは、次の日も、まだかなりおしゃべりで、
家に帰ってから奥さんにしゃべり続け、
かもめ食堂にご飯を食べに行った時もしゃべり続けてたら、
かもめさんに、「ほんまに今日はよくしゃべるね」
と言われたのです。